売れないなら売れるモノにすればいいし、買えないなら作ればいい。
ちょっと前、海外でリーバイスとカッパのコラボアイテムを勝手に作る業者がいくつか出てきた。
いわゆるカスタムジャケットと呼ばれるもの。
実情は知らないが、売れないモノを掛け合わせただけだと僕は思う。
リーバイスのデニムジャケットは年代物なら価値も高いが、そうでないものは正直ありふれているし、カッパも一時的に流行ったけど着られなくなって古着屋にたくさん流れてる。その2つの売れないアイテムをマッチングさせた。
どれぐらい売れたかは僕の知るところではないが、調べると着てる人がそこそこ出てくるので、それなりに売れたのだろうと思う。
今にしてみれば、サステナビリティの先端をゆく売り方だったとも感じる。
僕はコレを見た時に、売れない物をどうにかして売って金にしたいという貪欲さを見習うべきだろうと感じて、そういう意味でこの服を買おうとしたのだけど、その時は日本に配送してくれなくて結局買えなかった。
それが、2017年の出来事。
で、去年あたり調べたらもう作ってないって言うんで作ることに。
リーバイス70503を6000円程度、カッパのトラックジャケットを5000円弱で買ってきてドッキング。
多分どっちも90年代の服。だからか生地同士の馴染みも良い。これが片方新品だったりすると、浮いた感じが出てしまってクオリティが半減する。
黄色のトラックジャケットを見つけた時、ロゴ周りに青と赤を使っていて絶対にデニムと相性が良いだろうと思っていたら、まさにビンゴだった。
青のトーンオントーン、赤の差し色がきいて濃い味になったと思う。これが白黒ならつまらないし、緑や紫だとToo Muchだった気がする。
本家(?)では切り替えを首の付け根から袖口+15cm程度までつけているけど、袖山から袖口までに変更。インパクトある色使いだから、ディテール面は少しでもミニマルにしてバランス良く。
トラックジャケットの胸元についたロゴが大きめで「このまま捨てるのは勿体ない」と思い、リーバイスのパッチの真裏にくるように縫い付けた。
我ながら、完成度の高いカスタムジャケットだと自負している。「自分で作った感」のあるステッチも愛すべきディテールだ。
「売れない物を売れるモノにして金にする貪欲さ」を頭に植え付けるために作ったのだけど、そこそこのクオリティで作れたので着るよりも先に売りたくなっている。
なるほど、もしかしたらあの業者達も、遊び半分で作ったものがそれなりのクオリティになったから売ったのかもしれない。と考えたら、貪欲さを学ぶよりもファッションをもっと楽しまなければと思った。