買った意味

買ったモノを片っ端から紹介するブログです

嫌いなモノの見方が変わった話

この間、ふと頭の中に「ラフマニノフ ピアノ協奏曲第2番」が流れ始め、その時はラフマニノフだと分からず「のだめの曲…」とドラマを思い出していたら、次第に“のだめカンタービレ”の方が気になり始めちゃって、漫画を全25巻を買いました。

 

のだめカンタービレ全25巻 完結セット (講談社コミックスキス)

 

本当はドラマで見たかったんですが、ドラマは現在FODでしか(多分)見れないようで、“ドラマ版に編集されたラフマニノフを聞くためだけにサブスク登録するのは頭がステイホームすぎる”と考えた結果の行動がコレなので、これこそ紛れもなく「買った意味」だったと思います。

 

ちなみにYoutubeでのだめ版のラフマニノフは聞けました。

 

 

 

漫画というフィルターを通してオーケストラの魅力を読者に伝える、という部分に“のだめカンタービレ”の凄みを感じてます。ラブコメ作品でもあるのに恋愛要素が割と薄く、ギャグとシリアスの按配もちょうど良く、なんて読み進めやすいんだ…と舌を巻くしかありません。

 

 「買った意味」とは言ったものの、子供の頃から大嫌いだったクラシックを克服するどころか好んで聞くまでに至ったので、少しは意味があったと信じたい。

 

自分にとってクラシックとは、嫌々習わされ泣きながら練習したピアノの思い出を蘇らせる音楽であるとともに、眠たくなる歯医者のBGMであり、第一楽章だの第四楽章だのと長々としていてとっつきにくい印象のあるジャンルでしたが、

その構成美を楽しんだり、楽曲に込めた作者の意図について斟酌したり、同じ楽譜でも指揮者やオーケストラ、会場によってまったく違う曲に感じられたり、まるでアートのように楽しんで聞けるようになりました。

 

ふとラフマニノフが頭に浮かぶ時点で、さほど嫌いじゃなかったのかもしれませんが。

 

 

全然関係ありませんが、英語を学ぶ方法のひとつとして漫画の英語版を見ることも推奨されているそうです。というのもリアルな英会話(口語)が学べるのだとか。

英語に対して苦手意識を持っているけど克服したい!って方は、好きな漫画の英語版を探してみても良いかもしれません。

 

※途中までしか刊行されてないので要注意↓

Nodame Cantabile 1

Nodame Cantabile 1

  • 作者:Ninomiya, Tomoko
  • 発売日: 2005/04/26
  • メディア: ペーパーバック
 

 

救われない話との向き合い方とは

蓮の数式 (中公文庫)

 

 「この本、救われなくて切ないんだよね」

オススメの本ある?と特になにも考えずに聞いた自分に、友人から不意打ちでジャブを喰らった。

 

友人と別れたあと、読もう読もうと思っていたのだけど、その日を境に仕事が忙しくなってしまい、挙げ句リコメンドされたことすら忘れていた。けど、この自粛生活が始まってから「何か新しい日課が欲しい」と考えていたら、ふとジャブの痛みを思い出して読むことに。

 

これから読む人には申し訳ないけど軽いネタバレをすると、
夫と義母からモラハラを執拗に受けている女と算数障害に悩む男の逃亡劇。その一方で妻を殺した女の息子を探し続ける老人が現れ、みなが不幸を背負った状態で二つのシナリオが絡み合っていく。

 

その不幸を振り払うかの様にどこまでも落ちていく描写が続いて、読んでいてすごく辛い気持ちにさせられる。

 

人によっては不快感を覚えるほどだと思うが、自分はというと不快ってほどではない戸惑いみたいなものを感じていて、この本のことを考えていると深呼吸したくなる。

自粛生活も相まって陰鬱な気持ちに拍車がかかるんだけど、じゃあ人に勧めたくないかっていうと、そんなことはない。

 

こういった救われない話との向き合い方を知らないおかげで登場人物の誰にも感情移入しきれず、逆に自分は幸せなんだと感じられるし、単なる読み物としても普通に面白い。

 

もし重たい話が嫌いでなければ、ぜひ読んでみて欲しい。

蓮の数式 (中公文庫)

蓮の数式 (中公文庫)

  • 作者:遠田 潤子
  • 発売日: 2018/01/23
  • メディア: 文庫